40代~50代女性に多い腰痛とは?簡単に出来る対策も紹介
女性にとって40代~50代はカラダに変化が起こる時期であり、出産される方や出産・育児を終えて閉経を迎えられる方もおられます。
更年期を迎え、女性ホルモンの急激な低下により、更年期障害を経験され、腰痛などの症状を訴える人が多くなっています。
今回は、女性特有の腰痛の原因と、腰痛になる病気についてお話ししたいと思います。
目次
- ○ 女性の腰痛の原因
- ・更年期障害
- ・生理痛
- ・妊娠
- ○ 女性特有の疾患による腰痛
- ・子宮がん
- ・乳がん
- ・子宮筋腫
- ・骨粗鬆症
- ○ 簡単にできる対策とは
- ・カラダを温めること
- ・食事・栄養
- ・適度な運動
- ○ まとめ
女性の腰痛の原因
女性特有の腰痛の原因とは、更年期障害や生理痛、妊娠など女性ならではの腰痛があります。
更年期障害
生理が終わり閉経を迎えた前後5年を「更年期」と言い、個人差はありますが平均は50歳程度です。
更年期に現れる様々な症状の中で、他の病気を伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたすものを「更年期障害」と言います。
更年期障害の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)が低下していくことですが、その上に加齢、成育歴や性格など、職場環境や家庭環境などが複合的に関与することで発症すると考えられています。
腰痛は、このような時期に、自律神経の機能が乱れ、血液循環が滞りやすくなることで、肩や背中、腰の筋力が低下することによって起こると考えられます。
生理痛
生理痛には、「プロスタグランジン」という物質が関係しています。
この「プロスタグランジン」は生理中の経血の排出に必要とされますが、この物質が過剰に作られると子宮収縮と同時に体内の血管も収縮させるため、腰痛や冷えを悪化させる原因になります。
それにより、もともと腰痛持ちの人や冷え性の人は生理になるとさらに症状がひどくなるのです。
妊娠
妊娠中はお腹が大きくなり、重心の位置が前に移動しやすく腰を反らせた姿勢になるので腰痛になりやすいです。
それだけではなく、妊娠中に分泌される「リラキシン」というホルモンの作用で、出産に向けて準備を始めるため、腰周りの関節(股関節・仙腸関節・恥骨結合)や筋肉、靭帯を緩めます。緩んだ状態で身体を支えると余計に筋肉に負荷がかかり特に腰痛を引き起こしやすくなります。
他にも、リラキシンは骨盤内に血液をためる作用があり、腰回りでうっ血してしまい、腰が重く感じてしまう人も多いようです。
女性特有の疾患による腰痛
腰痛の原因となるものはたくさんありますが、その中でも命に関わるものがあります。
それは「がん」です。
女性特有の疾患としては、「乳がん」や「子宮がん」があげられます。
そのほかの疾患としては、「子宮筋腫」、「骨粗鬆症」などがあります。
ではそれぞれ見ていきたいと思います。
子宮がん
部位により、子宮体がん、子宮頸がんに分かれ、そのうち子宮頸がん約7割程度を占めます。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しており、また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。(産婦人科学会HP引用)
初期の子宮頸がんでは、ほとんどが無症状のため、進行にしたがい、主な自覚症状として不正性器出血(月経以外の出血)や帯下(おりもの)の増加などが見られます。内臓痛の影響になりますが、特にがんが骨盤内臓器に浸潤して、尿道や腎臓に尿がたまった状態で拡張して起きる「水腎症」と併発して腰痛が現れることがあります。
乳がん
乳がんの症状の90%以上は、痛みのないしこり(乳房腫瘤 にゅうぼうしゅりゅう)と言われています。
乳がん局所の痛みは初期の段階では顕著ではなく、進行とともにさまざまな痛みが出てきます。
脊椎に骨転移が起きていれば、脊椎を圧迫することによる腰痛や様々な部位での痛みが起こりやすくなります。
子宮筋腫
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、命にかかわる病気ではないのですが、筋腫のできた場所や大きさ、数や種類などによっても症状や重症度が変わってきます。
大きくなった筋腫の腫瘤が、周辺の臓器を圧迫することによってさまざまな症状が出てくることがあります。
特に、骨盤周囲の神経や血管が圧迫されることによって、腰痛や下肢の浮腫をきたすこともあります。
骨粗鬆症
骨は皮膚や髪の毛と同じように新陳代謝を繰り返しています。
個人差はありますが、骨量は20~30歳代をピークに徐々に減っていきます。骨を破壊する破骨細胞と、新しい骨を作る骨芽細胞とのバランスにより骨の強さが保たれていますが、加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の減少は、破骨細胞の数を増やして、骨芽細胞の働きを抑制するるため、女性は閉経後、骨粗鬆症のリスクが高くなります。全身の骨で見られますが、脊椎に起こりやすく、進行すると椎体が押しっぶされたような「圧迫骨折」を起こします。
圧迫骨折が徐々に起こってそれが重なっていくと、脊椎が変形し、背中が曲がり、慢性的な背中の痛みや腰の痛みを起こします。
簡単にできる対策とは
カラダを温めること
痛みは我慢する必要はありません。
つらい時は、無理せずにゆっくり過ごしましょう。
<温めるポイント>
●お風呂にゆっくり入って体を温めたり、夏場でしたらシャワーだけで済ませずに、半身浴など工夫しましょう
●カイロでお腹と腰を温める
→東洋医学のツボの中で、お腹は”関元”おへその真下、指三本分のところと、腰は”腎兪”腰に手をあてて親指があたるところ、背骨から親指二本分。
●冷たいと飲み物を一気に飲まない
食事・栄養
肥満や大量の飲酒はがんのリスクを高めると言われています。
国際がん研究機関のワーキンググループでは、「野菜・果物によるがん予防効果は、必ずしも確立した関連ではない。しかし、がんを含むあらゆる病気の予防の観点から、野菜・果物を多くと摂ることは推奨される。」と報告されています。
不規則な食事をせず、5代栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
また、骨粗鬆症には、骨をつくるために必要なカルシウムはもちろん、カルシウムの吸収・骨への沈着を助けるビタミンD・K・B群、そしてカルシウムを骨の材料として吸収するために必要なエネルギーやたんぱく質がきちんととれていることが大切です。
代表的な食品
●カルシウム:牛乳・ヨーグルト・いわし・小松菜
●ビタミンD:鮭・さんま・きくらげなど
●ビタミンK:納豆・ほうれん草・ブロッコリーなど
適度な運動
40代~50代にかけ、筋力も低下してきます。脊柱起立筋や多裂筋や殿筋など、筋肉が衰えてくると腰痛になりやすくなります。
腹筋(腹横筋)や背筋(多裂筋)大殿筋など姿勢をまっすぐに保つ筋肉が弱ると、ちょっとした動作でも負担となって骨を支える筋肉や関節などに支障をきたし腰痛の症状がでてきます。
また、以前のブログにも書いていますが、有酸素運動の最も手軽に始められるウォーキングもおすすめです。
読んでない方はこちろも参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、40~50代に多い腰痛とその対策についてお話ししました。
特に女性特有の疾患については、定期的に検診を受けたり、症状があったときはすぐ産婦人科を受診して下さい。
対策としては、生活習慣を見直し、適度な運動を継続することでリスクは少なくなってきます。
当マッサージ・はりきゅう院は、熊本市東区を中心に慢性的な痛みでお悩みの方に多数ご来院頂いています。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
また、このような情報を定期的にアップしていきますので、引き続きご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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