初めての鍼灸【入門編】
鍼やお灸と言うとどんなイメージを持っていますか?痛い!怖い!熱い!というイメージを持っている方もいると思いますが、鍼灸の始まりや効果などを知ったらイメージが変わるかもしれません。鍼灸のことをもっと知りたい方必見です。
目次
鍼灸の歴史
鍼灸の歴史は大変深く、今から二千年以上前に古代中国で誕生した「伝統医学」です。
では、おおよその歴史を見ていきましょう!
鍼灸の歴史①
ちょっと難しい話にはなりますが・・・
日本には、6世紀頃朝鮮半島から日本に伝えられたと言われ、奈良時代には、鍼博士、鍼生という官職が鍼灸を扱う医学療職として設けられました。
平安時代には鍼博士の丹波康頼が多くの医学書をもとに編集し、医学全書「医心方」を当時の天皇に献上しており、灸治療が中心で鍼は外科的な処置を行う際に用いられたようです。
その後、江戸時代初期には経穴(つぼ)に関する学術的な研究書が数多く編集され、江戸時代前期頃には、杉山和一(盲人の鍼師)という人物が、将軍綱吉の寵愛を受け、鍼灸の教育制度を確立させていきます。
この時期に、現在でも広く日本で用いられている”管鍼法”(鍼を管に挿入した状態で刺入する方法)が編み出され、初心者でも痛みを与えずに刺入しやすくなりました。
その後、明治政府の方針で「西洋医学」が強く推し進められることになり、鍼灸や漢方などを主流とする日本の伝統的な医学は下火を迎えますが、その後も民間での支持は強く、戦後に鍼師、灸師は国家資格として制定されることになりました。
鍼灸の歴史②
1971年 中国での鍼麻酔手術が世界的に報道
1983年 日本で初の鍼灸大学設立
1989年 WHO(世界保健機関)で初めて経穴(ツボ)が承認
2008年 WHOで正式に経穴(ツボ)の位置が標準化 正式なツボは361穴
東洋医学と鍼灸治療
西洋医学では病気の原因に着目し、その原因を除去することで病気を治療するというアプローチ方法をとりますが、東洋医学では体全体のバランスが崩れていることが原因で病気の症状が現れ、そのバランスを自然治癒力により戻すことができれば病気が治る、という考え方をしています。 東洋医学的には、「気・血・水」のバランスが保たれている状態が健康状態であると言われいます。
「気」
体内を流れるエネルギーのことで、元気や気力の『気』という意味があります。
「血」
文字通り血液のこと。血液が循環して全身に栄養を運び、潤いを与えます。
「水」
血液以外の体内にあるリンパ液やその他の水分のこと。消化や排泄に影響するほか、臓器をスムーズに働かせる潤滑油のような作用もあります。
このうち、「気・血」が体内を巡るための通り道のことを「経路(けいらく)」と言い、この通り道上にあるなポイントを「経穴(ツボ)」と呼びます。経絡が滞らないように、また滞った経絡を改善するために、この「経穴(ツボ)」を使い、鍼や灸を施すことで、「気・血」の流れをスムーズにすることが東洋医学的な鍼灸治療です。
鍼灸について
鍼
鍼をもって身体表面の一定部位に、接触または穿刺刺入し、生体に一定の機械的刺激 を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用すること
灸
もぐさを燃焼させ、またはこれに変わる物質をもちいて、身体表面の一定部位に 温熱的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、疾病の予防または治療に広く応用すること(出典元:はりきゅう理論 医道の日本社)
とあります。
どうして痛みが和らぐ?
鍼灸の効果のメカニズムの詳細は、すべてが明らかになっているとは言えませんが、鍼灸治療は臨床と研究が重ねられ、ある程度の作用の仕組みについてはわかってきていると言えます。
主に下記のような作用が働くことで、効果がでるのではないかと考えれられています。
生体機能調整作用
組織や器官の機能を回復させる作用が、症状により異なる働き方で起こる
→痛みや痙攣などは、鎮痛作用により機能が以上に高まっている状態から抑える
痺れなどの神経の機能低下は、興奮作用により機能を活発にする
血行促進作用
症状が起きている患部と、健康な部分を使い分けることで、
→肩こり、筋肉痛、動脈硬化などは、血管を拡張させ、血行を促す働きが起きる
関節炎などの炎症は、患部に集まっている血液を健康な部分に移動させることで、炎症を鎮める作用が起こる
免疫力の活性化作用
白血球を増やすことで、生体防御機能が高まり、身体全体の免疫機能を活性化させる
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いまや鍼灸は、世界保健機構(WHO)も認める治療手法です。中国や、日本、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国で盛んに行われています。
全身の状態を総合的に診ていき、人間のもつ自然治癒力を引き出しながらも、“未病”を治す力にも優れているのが鍼灸です。
このような情報を定期的にアップしていきますので、引き続きご覧ください。
当マッサージ・はりきゅう院は、熊本市東区を中心に慢性的な痛みでお悩みの方に多数ご来院頂いています。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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