専門家が解説!体質改善に効果的な「筋膜リリース」の正しい知識
目次
- ○ 筋膜とは?
- ・筋膜の特徴
- ・筋膜の役割
- ・筋膜リリースとは?
- ○ 筋膜リリースの重要性
- ・筋膜リリースとストレッチとの違い
- ○ 筋膜リリースを行うメリット
- ・筋膜リリースの効果
- ・実際に筋膜リリースをしてみましょう(背中編)
- ○ まとめ
筋膜とは?
筋膜とは、簡単に言うと、全身の筋肉に張りめぐらされている膜のことです。
難しい話ですが・・・
詳しく言うと、ヒトの身体は、表面から表皮や真皮と言われる「皮膚」があり、その下方には脂肪やリンパ等を多く含む「皮下組織」、さらに、その皮下組織を分けるように「浅筋膜」が分布しています。浅筋膜は皮膚支帯と連動しての動きが皮膚に伝達されています。
その下には3層構造の「深筋膜」が分布しており、全身の筋と腱膜を覆っています。
深筋膜の下には各筋の表層筋全体を覆っている「筋外膜」、いくつかの筋線維を束ねて覆っている「筋周膜」、さらに筋線維1本1本を包む「筋内膜」との3種類に分けられます。
それだけではなく、骨、内臓器官、血管、神経など身体のあらゆる構成要素を包み、それぞれの場所に正しく位置するよう支えています。
それらの筋膜は、ある一定の法則に従って連結しあい、ウェットスーツのように体全体に張り巡らされ、
”第二の骨格”とも言われています。
筋膜の特徴
筋膜は柔らかい組織なので、萎縮・癒着(からまること)しやすい特徴があります。
この筋膜の萎縮や癒着が”コリ”や”痛み”となり、筋肉が硬くなる原因になります。そのため、筋膜の一部分に癒着が起きると、離れた部分の機能に影響を及ぼすこともあります。
自分の着ている服の一部分を引っ張り、動かしてみると窮屈で動きにくい状態になりますよね。
例えば、左のお腹の部分を引っ張り、右肩を上げてもらうと引っ張られて上げにくい感覚が分かると思います。
この窮屈さは水分を失い柔軟性をなくした筋膜だけでなく、そこにつながる筋膜のバランスを崩してしまいます。
これが身体に悪さをするんですね・・・
筋膜の役割
①組織と組織の間に仕切りをつくり、姿勢を保つ役割を持つ
②組織同士がこすれあうことで生じる摩擦から保護する
➂筋線維の動きを支え、力の伝達を行う
筋膜リリースとは?
筋肉がスムーズに動くためには、筋膜が柔らかい状態になっておかなければいけません。
硬くなった筋膜を、引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで柔らかくし滑りを良くして、解きほぐすことを「筋膜リリース」と言います。
膜はがしと呼ばれることもあります。筋膜リリースを行うことにより、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域を拡大します。
筋膜リリースの重要性
最近は、リモートワークなどパソコンに向き合う時間が増えていると思います。
座った姿勢は、お尻や腰、背中から首や肩まで負担をかけて姿勢が崩れてきます。だんだん疲れや痛みにつながってきますよね。
筋膜も連動して萎縮や癒着してしまいます。
筋膜リリースは、その凝り固まったものを解消するのに最適です!
特にデスクワークなどで凝り固まった背中は自律神経(交感神経)が通る場所でもあります。
この部分が硬いと、頭痛や不眠、イライラするなどのトラブルの原因にもなります。
肩こりや腰痛、背中がツライ方は姿勢の影響から背中が硬くなっている可能性がありますのでおススメですよ!
筋膜リリースとストレッチとの違い
良く聞かれる質問なのですが…
筋膜リリースとは、 面に対して圧を加えることで筋膜のねじれを開放することです。
ストレッチは、
主にスタティック(静的)ストレッチ
ダイナミック(動的)ストレッチ等
筋肉を一定方向に伸ばして 、柔軟性の向上をもたらし関節の可動域を広げることです。
*筋膜リリースの”リリース”とは、自由にする、開放するという意味があります。
筋膜リリースを行うメリット
筋膜リリースをすることにより、硬くなった筋膜・筋肉がほぐされ血流も良くなります。
血流が良くなると筋肉の柔軟性が高まり関節の可動域が広がる他、筋肉の回復に必要な栄養素の体内循環を促すなどのメリットがあります。
筋膜リリースの効果
①ねじれたり硬くなった筋膜をほぐす
②筋肉や、他の組織が正しく動くことによって滑らかな動きができる
➂凝りにくい身体になる
この3つの効果が期待されます。
*ただし、禁忌事項として、悪性腫瘍・急性期のリウマチ・全身あるいは局所性の感染・開放創や縫合部がある・発熱がある場合等は控えましょう
実際に筋膜リリースをしてみましょう(背中編)
今回は、ストレッチポールを使用した背中を反らす動き(胸椎伸展)の方法を説明します。
①ストレッチポールを横に置き、背中の真ん中(肩甲骨下)あたりが当たるようにします
②お尻は着いた状態で、手で頭を支え首に負担がかからないようにします
③ゆっくり息を吐きながら少し反らせる動きを出し、息を吸いながらゆっくり元に戻します
この方法で5呼吸を行い、少し上にずらして3箇所を目安に行ってください
痛みが強くならないように気持ち良い程度に行いましょう
④お尻を浮かせて背中全体をゆっくりコロコロします
10往復を目安に、こちらも気持ち良い程度に行いましょう
筋膜リリースの後は、体内の循環が良くなっているので、コップ1杯程度の水を飲むことをお勧めします。老廃物の排泄を促す作用がありますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
スポーツ選手では当たり前のように使われているストレッチポールですが、スポーツ選手に限らず、一般の方でも快適な日常生活を送るためのオススメのツールです。
今は様々なメーカーから出されており、約2,000円~約10,000円とピンキリです!
自分に合ったものを見つけて頂き、是非筋膜リリースを日ごろのセルフケアに取り入れてみてください!
熊本市東区で慢性腰痛やスポーツ障害を専門とする「Health & Spark Bodyマッサージ・はりきゅう院」では、このような情報を定期的にアップしていきます。是非引き続きご覧ください。
また、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
シェアする